隣の店が閉店。約1年だった。
2018/03/07
僕の店の隣に出店したお店さんが、1年もたずに閉店しました。
そのお店さんは以前、「近隣に挨拶をしない」と書いたお店さんです。
結局、最後の最後までどんな人かもわからなかったし、
相当色々な料金を滞納をしていたという噂も聞きます・・・。
そこで僕は思いました。
「辛かったら誰かに相談しようよ」
って。
アドバイス出来る事はあった
そのお店は自分より20歳~30歳は上の人がやっていました。
その方がアドバイスを聞く耳があるのか、またそれを理解できるのかはわかりませんが・・・もし訪ねて貰えれば、言えることはいくらでもあったと思います。
あきらかな宣伝不足
まず、そのお店はあきらかな宣伝不足でした。
近所に住んでいる僕の自宅マンションにすらそのお店のチラシは入ってきませんでしたし。
・・・一年で一度も、です。
僕は同業のお店をやっているし、しかも隣にあるから知ってるけれど・・・僕と同じマンションに住んでいる一般の方なんかはほとんどがそのお店を知らなかっただろうと思います。
チラシや地域情報誌にも載らなければ、ホームページすらありませんでした。
※食べログに1件2件サクラくさい書き込みがあっただけw
このご時世、「お店を出店して、営業していればお客さんが勝手にくる」なんてことはありません。
一生懸命に「知ってもらう努力」をしなきゃダメなんです。
あきらかなキャラクター不足
USP(ユニーク・セリング・プロポーション)って言葉をご存じでしょうか。
いわゆる「お店の独自のウリ」です。
そのお店には独自性が全く感じられませんでした。
メニューも「出来るからやってます」って感じで・・・コンセプトがバラバラ。
うちの常連さんが「あの店はこだわりがない」って言っていたぐらいです。
こだわりっていうのは、みんな勘違いしちゃうんですけど、何も「〇日前から煮込み続けたシチュー」とか、「A5ランクにこだわったハンバーグ」とかじゃないんですよ。
その常連さんが言っていた「こだわり」っていうのはたぶん、
”お客さんに何を与えるのか”
っていう部分でのこだわりの事を言っているんです。
例えば、「うちは焼き鳥屋です」でもいいと思うんです。
「だから鶏の産地にこだわってます」
「だから鶏にも卵にもこだわった親子丼が出せます」
最高じゃないですか。
そういうのがなかったんですね。
「僕は料理が上手です」
「だから、なんでも上手に作れます」
みたいな感じ。
そんなの、特に修行もしてない僕に言わせたって、「誰だって出来る」って話ですよ。
レシピを頭に叩き込んで、練習すりゃいいだけですから。
お客をみているのか?
「僕は料理が上手なのでお店をやります」っていうのは、あくまで”こちら側”の話なんですよね。
”自分が出来るから”、”自分がやりたいから”っていうのが先行していて、やっぱり「お客さんを見ていない」という状態です。
あなたのお店のお客さんは何を求めてあなたの店を知り、何を求めて来店して、何を得て帰っていくのでしょうか。
そしてあなたはそこに、どれだけのこだわりを出せるのか。
それが大切なんだと思います。
おわりに
と、まぁ、終わってしまったお店さんの事をグズグズ言っても仕方ないんですが・・・やっぱりせっかく出店された方が辞めてしまうのって、なんだか寂しいんですよね。
出来ればもっといろんな人に相談して、苦境を乗り越えて欲しかったなと思わずにはいられません。
本音を言えば・・・相談できなかったにしろ、乗り越えられなかったにしろ、もうちょっと悩んで絞って、真面目に”問題と向き合って”欲しかったなって。
結局ぜんぜん接点がなかったから・・・どんな人だったのか、何が理由で辞めるのか、どんな辛い事があったのか・・・など、何一つわからないんです。
たった一つわかることは、
「何もやらなかったよね」
ってことだけ。
隣にある僕の店が「やべえ!!」って思うぐらいの宣伝とかこだわりとか・・・約1年間、何一つやってなかったもんね。
厳しいようだけど、僕にはそう見えたという話です。
いま、苦境に立たされているお店の方、もし隣のお店の人にそんな風に思われてたら寂しくないですか?
食材高騰、消費増税、外食離れなどなど、辛い事はたくさんあります。
出来るだけ、そんな社会に負けないよう生き抜いてくださいね。
最後になりましたが、お隣さん、お疲れさまでした。
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