ターゲットが決まっていないお店の顧客満足度が低くなる理由
2015/11/03
僕はこのブログでも繰り返し「自分のお店のお客さんを知ること」を強調しています。
今日はその大切さについて改めて説明します。
お金を払うからお客さん・・・ではない
「自分のお店のお客さん」というのは、「あなたのお店にお金を落としてくれる人」ではないです。
あなたが提供しているサービス、料理などを欲している人のことです。
たまに、見当違いなオーダーをしてきて「客のいう事が聞けないのか」なんて言う人がいますが、あんなのは論外です。
僕は客として認めていませんw
極端な話、あなたのお店が誰の為に存在しているのか、
その「誰」を一人にまで絞った対象が「ターゲット」、
つまり「あなたのお店のお客さん」というわけです。
「お客さんが一人じゃやっていけるはずがない」
そりゃその通りです。
ターゲットはあくまで基準となる人として一人に絞ります。
その人がどんな目的で利用しているか。
そして、どんなオーダーでどんな料理を楽しんでいるのか。
ここに共感できる人があなたのお店のお客さんたちではないでしょうか。
きっと今あなたが思い浮かべているあなたのお店の大切なお客さんは、
共通の目的を持っていると思います。
「ターゲットは全員」がズレている理由
「ターゲットなんて決めなくたって、うちは誰にでも来て欲しいよ」
人間だれしも嫌われたくはないですから、みんなに好きになって欲しいですよね。
だから、来る人来る人誰でも歓迎したいし、全員がターゲットだと思いたい。
でも「ターゲットはうちの店に来る全員」っていうのは、だいぶズレてます。
どういうことかわかりますか?
単純な例で言えば、
「今日、一世一代の大勝負。彼女にプロポーズする。絶対にはずせない。」
こんな想いの男性が予約をした店で
「少年野球チームが優勝したから子供たちみんなを連れてワイワイやりたい」
という集団が同時に予約をしたら・・・台無しなのはわかりますか?
プロポーズしたかった男性は、隣で子供たちがギャーギャー騒いでいる状態で満足度が低くなることが予想されますよね。
お客さんを選ぶ、というと偉そうですが、
お客さんに正しく選んでもらう、という事は必要なことです。
だからこそ、「ウチはこういう方にこそ来てもらいたい店です」というターゲット設定が必要なんです。
[関連]マクドナルドに見る、間違ったマーケティングから小さな飲食店主が学ぶこと
ターゲットを決めたら、きちんとアピールする
ターゲット設定ができたら、店頭の看板、店名、雰囲気、チラシ、ホームページ、
全部を使って「こういう店です」とアピールしなければなりません。
どういう店なのかを正しく知って貰う事で、正しい期待に繋がります。
正しく期待して貰えば、その期待に応える事で満足度はあがります。
満足度は期待値を基準に上がったり下がったりするからです。
[関連]顧客満足度は顧客の期待値からの相対で決まる
もし、先ほどのプロポーズしたかった男性も、ホームページを見た時に
「家族でワイワイ楽しむ店です」と紹介されていたなら、予約の時点で気づいていたかもしれません。
その時の彼の予約は逃してしまいますが、彼が結婚して子供が生まれた時には家族でワイワイやりに来るかもしれませんよね。
さらには、ターゲットが明確な店ほど、記憶に残りやすいです。
極端な話、あなたの近所に「同窓会専門店」があったとして、
あなたが同窓会の幹事を任されたら、その店を思い出しませんか??
そしてそういう店ほど人から人へ伝わっていきやすい。
つまり口コミになりやすいという事ですね。
ターゲットを知る事が出来れば、差別化にもつながります。
おわりに
ターゲッティングは、実はとても難しいです。
やっぱりどうしても自分が提供する商品やサービスを考えた時に「一人」には絞れないから。
でもそこを頑張って一人にまで絞ることで、人の記憶に残る差別化されたお店が出来上がるわけです。
苦しく辛い行為ですが、是非考えてみてください。
ちなみに、ターゲッティングについてはこちらの本がわかりやすいと思います。
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具体的に一人にまで絞った例が載っているので参考までに。
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