異業種からの参入で小さな飲食店をやってるけど何か質問ある?小さな飲食店主の経営幼稚園

これから飲食店を始めたい方や既に小さい飲食店のオーナーをされてる方に役立つかもしれない情報を書いていきます。

これから独立開業する人に伝えたい飲食店のメリットとデメリット

 - 飲食店オープン準備 , ,

      2015/11/03

これから飲食店で独立開業する人に飲食店ならではのメリットとデメリットを現役飲食店主という立場からお伝えできればと思います。

「おれは料理人として一生食べていくんだ!メリットもデメリットも関係ねェ!!」ドンッ!

って方もいらっしゃるかもしれませんが、今後の飲食店主としての人生に少なからずプラスになる考え方が生まれるはずですので、是非ご一読頂けると嬉しいです。

飲食店で独立開業するメリット

飲食店の開業メリットというよりは、他のビジネスをやるのに比べた際のメリットです。
僕が思うのは「必ずと言っていいほど、お客さんが来る。お客さんが来れば絶対に売れる。」です。

必ずと言っていいほど、お客さんが来る

飲食店を開業して、店を開けてボーっと待っていれば、必ず一週間に一人ぐらいはお客さんが来てくれます。
とてつもなく辺鄙な村とかなら話は別ですよ。
そこそこ通行量があるところだったり、住人がいる地域の話です。
一週間とか一か月、完全にノーゲストなんて事はあり得ません。

また、なんとなく集客方法もわかるので、ノーゲストが2日も続けばビラ配りしたりを始めますので、それを見て来てくれる人が少なからずいます。

これが訪問販売の英会話教材とかだったら一週間または一か月であなたは一つでも売れる自信がありますか?
そんな自信、僕にはありません。(笑)

お客さんが来れば絶対に売れる

お客さんが来てくれさえすれば、ハッキリ言ってほぼ100%の確率で売れますよね。

僕の店で前に働いてくれていたアパレル関係の人の話だと、小売店は冷やかし客が多く、
特にアパレルだったので見るだけ、着るだけのお客さんが多かったんだとか。

せっかくお客さんを集めても買ってくれないんじゃ水の泡って感じですよね。

その点飲食店はお店に入る、席に座るまでしてしまえばほとんどもうこっちのもんです。(笑)
もちろんその先の接客術だったりメニューの魅力等でオーダーされる品は変わってきますが、お水だけ飲んでトイレだけ使用して帰る人なんてのは年に1人もいないです。

飲食店で独立開業するデメリット

いいこともあれば悪いこともあります。
そのあたりのバランスを見て参入を決めるのがいいと思います。

ではまず飲食店で開業する時のツライ部分から。

お客さんが来なくてもかかる費用が多い

飲食店と言えば、調理場だけでなく飲食スペース、お手洗い、バックヤード(食材倉庫だったりスタッフルームだったり)が必要になります。
ということは、実際に販売に使えるスペースに対して確保しておかなければならないスペースが多い=家賃が他の業種より高め=固定費がかかる という感じです。

これはもちろんアパレルや美容室も同じです。
逆に不動産やその他の小売業、または情報を販売する業種なんかはほとんど販売に使うスペース以外の固定費がないですね。

あとはお客さんが来なくてもお店を開けて待っていなくてはなりませんので、その時の人件費。
お客さんが来ない日にもやれる事はありますが、基本的には”受け”なので、いつ来店されてもいいようにガッツリとした他の作業をやる事は出来ません。その時にも自分とスタッフの人件費は使われている事を意識する必要があるんです。

あとは僕の店で言えば電気式のグリドル、フライヤーはつけっぱなしで待ってなくてはならないですし、飲食スペースは快適にしておかなければならないので、エアコンなどの電気代。
お手洗いも解放しているので水道代もかかります。
もちろん調理にも水道代・ガス代がかかりますね。

とにかく売上が立とうが立つまいが出ていく費用が多すぎるんです。

顧客層がバラつく

これは「場合によっては」という話ですが、顧客の層がバラついて、悪い人と良い人が交わる事があります。

というのも、飲食店というのは公共スペースなんですね。
あなたの個人スペースではないんです。

だから、来る人を基本的には断れないし、公に開いていなければならない。
※もちろん一見さんお断りなども可能ですが。

そうなると、ガラの悪いあんちゃんやら、ヤク中の危ない人やら、アル中の酔っ払いおじさんまでみーんな入れちゃうんです。
そんな時に、常連の紳士のおじさんとか、いい感じのカップルとかが居たら最悪ですよね。

ある程度店のグレードを上げる事で阻止できる事ではあるんですが、完全ではないです。
僕も僕と店のスタッフと常連さんを守る為にアル中のおじさんを追い返した事があります。

これが例えばルイ・ヴィトンとかだったらどうでしょう。
アル中のおじさんなんか、恥ずかしくてなかなか入れないんじゃないかな。(勝手な妄想ですが)

確率として、飲食店はそういう人でも気軽に入りやすい、という事です。

これら「お客さんが来ない時の費用」や「顧客層のバラつき」は「予約制にする」という事で解決できるんですが、飲食店って基本的にはフラッと入れるというのが一般人の認識です。
予約しないといけないお店さんは、それなりの理由があるお店さんです。
理由もなく予約制にしたら、手間の方が勝ってしまって客足が遠のきます。

なので、様々な人が来るのを覚悟しつつ、待ち続けるという選択を取るハメになります。

さて、この2つとは違うのですが、メリットから見た時の逆になる部分についても説明します。

お客さんが来てくれちゃうから、集客の本質を学べない

実際にはそこまでお客さんが来てくれないですから、自ずと集客の勉強をすることにはなりますが、それでもそこそこに来てくれちゃう場合があるので、その時には集客の本質を学ぶ事が出来ないと思います。

本質が学べないとはどういう事かというと、飲食業以外の仕事でのつぶしが効かないという事ですね。

今後永遠に必要とされる仕事だという自信があるならいいですが、今の時代を冷静に見て、自分自身に知識や万能スキルが付いている事がデメリットになるとは考えられないので、出来れば本質を学べるのがいいかなとは思います。

来てくれれば売れちゃうから、販売の本質を学べない

これも上記と同じ理由です。

実は販売には過程があります。
店主の想い、店が売っているものなどから集客したお客さんに教育し、喉から手が出る程欲しいと思った物を買ってもらうという過程です。

自分に置き換えるとわかるのですが、僕らはいつだって他人から売り込まれた物を買うなんて事をしていないですよね。
自分で欲しいと思った物を買っているわけです。
でも、その欲しいと思った物って、本当に自分で欲しいと思った物なのでしょうか。

人間が物を買う時には購買心理が働いていて、何かしらの宣伝だったり教育だったりから「自分に必要なものだ」とか「これで快楽が手に入る」とかいう気持ちにさせられて買っているんです。

放っておいても勝手に売れてしまうから、こういう部分が学べないんですね。
ということは、やはりつぶしが効かないということです。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

なんかメリット・デメリットというよりは、「覚悟しておけ」というような記事になってしまった感も否めません。

とにかく飲食店で独立開業する際の基準になってくれれば幸いです。

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