手段と目的をはき違えない事 | 集客の為の一歩目
2015/11/03
昔、販促機器の設置を営業しに来た担当者に言われた一言で、すごく記憶に残っている言葉があります。
それは
「社長、これはあくまで道具ですよ!」
当時の僕は「んなことわかってるよ・・」と思いながらも、本質的な部分に辿り着けずにいました。
が、今ならよくわかります。当時に比べたら成長したということですね。
手段(ツール)を目的と勘違いしてしまうことって、実は気づいていないだけでよく起きています。
Tポイントの営業さん
飲食店を経営していると、本当に毎日色んな企業から手を変え品を変え、様々な営業がかかってきます。
時には電話だったり、時には飛び込みだったり。
ある日僕の店に来たのは
“ケータイをピッとやるだけでTポイントを付与できる”
という電子リーダーの設置を促す営業さんでした。
営「社長、これはあくまで道具ですよ!どう使うかです!」
・・・この意味わかりますか?
つまり、極端な話で言えば、
「電卓で調理はできねーっすよ!」
みたいな事です。(わかりにくい)
その営業さんが言いたかったのは、道具を生かすも殺すも使う人次第、という事だったんじゃないかなと思います。
間違っても「その道具があれば何もしなくてもお客さんがワンサカ来る」、なんて事は言っていなかったはずです。
結局いろいろ考えて、「僕にはその道具は使えない」と思ってあきらめてしまいましたが、その営業さんの言葉がずっと残っていました。
手段と目的
こういう話の時にいつも思うのが、「手段と目的は別。はきちがえない」ということです。
例えば受験勉強の目的ってなんでしょうか。
一流の大学に入る事でしょうか。それとも一流の企業に就職する事でしょうか。
おそらくは、みんなしっかりと意識をしていませんが、受験勉強の先にある目的は「将来生きていけること」だと思うんです。
将来生きていく為にはお金が必要で、お金を得る為には働く必要があって、働くからには就職しなければダメで、就職するには学歴が必要で・・・っていう考えがあった上での受験勉強という手段なのではないでしょうか。
たぶん、その辺りがすっぽり抜けちゃったまま、母親に「勉強して、いい大学いって・・・」みたいな話をされるから、途中で自分を見失ってしまったりするのだと思います。
将来生きていくのが目的ならば、お金がなくても生活できる環境があるのかもしれないし、働くのにも就職しなくてもいい方法があるかもしれないし・・・とも考えていけるはずなんです。本当は。
実は飲食店も一緒で、何の為に店をオープンするのかがわかっていない店主が多かったりします。
よく言われるのは「開店する事がゴールになっている」という状態。つまり店をオープンする事が目的になってしまっている。
でも本当は、何か叶えたい目的の為の“手段として”飲食店を経営する、というのが正しいのではないでしょうか。
そしてその叶えたい目的っていうのは「誰かの役に立って、そのお礼としてお金を受け取る」という事だと思うんです。
その手段として僕やあなたが選んだのがたまたま飲食店だった、というだけ。
これをはき違えてはいけないと思います。
広告に関して勘違いしていること
これらを踏まえて一つ、多くの飲食店オーナーが勘違いしている事があると思います。
それは広告に対しての認識です。
地域情報誌、雑誌掲載、ホームページ(SEO)、看板、ネット広告、SNS広告、ビラ配り、ポスティング・・・などなど、広告宣伝にもいろいろありますが、これらは上で述べた“手段”に他ならない。つまりツールなんです。
先ほどの例を持ち出しますが、「調理をする時に電卓を使う人」って、いますか?(笑)
逆に、計算したい時に包丁やフライパンを使う人は?
馬鹿馬鹿しい質問だと思うかもしれません。
要するに適切な目的に適切な手段(ツール)を使うという事は、あたりまえの事なんです。
調理をするなら僕は包丁やフライパンを使います。
そう思うと
「その広告だしたらお客さん来るの?」って質問は
「その包丁使ったら調理できるの?」って質問に似ていますね。
おそらく「いや、包丁使ったからって調理が出来るようになるわけじゃないよ」って答えますよね。
というわけで、広告ツールも適切に(自分の店にあった形で)使わなければ意味がないし、適切に使えば意味を見いだせる可能性はあるという事です。
まとめ
手段と目的はいろいろな分岐点で一旦立ち止まって考えた方がいいです。
僕らは、自分たちの力で生きていく為に、お客さんに価値を与えて、そのお礼として代金を受け取る事を目的として、飲食店という手段を用いているという事ですし、飲食店で調理をするという目的を叶える為に、包丁やフライパンという手段を用いているのだと言う事を意識しておきましょう。
では最後にトレーニング。
ダイエットの目的は、「痩せること」でしょうか。
どうでしょう。
答えは明白だと思います。
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