「3万円のハンバーガー」「世界一高額なパフェ」から感じるマーケティング
2016/02/05
Reference: http://www.incrediblethings.com/food/le-burger-extravagant-most-expensive-hamburger-ever/
「3万円のハンバーガー」
というキャッチに惹かれて、ついついテレビの旅番組を見入ってしまいました。
そこで紹介されていたのが、このLe Burger Extravagant。
直訳すると、贅沢なバーガーw
ニューヨークのSerendipity3というお店で食べられる、$295のハンバーガーで、
日本から輸入した和牛のパティに、トリュフやキャビアが添えられているというもの。
さらに、バーガーを支えるピックがダイヤが散りばめられた純金製で、
そのピックも持ち帰りOKとのこと。
さらにこのお店ではギネスブックに認定されている
「世界一高額なパフェ」
というものがあるそうで、その価格がなんと$1,000!
イタリアから仕入れた最高級のチョコレートに、24金の金箔でコーティングしたチョコなど、
とにかく贅沢でキンキンキラキラなパフェでした。
Golden Oulence Sundae
興味ある方は48時間前までに要予約ですw
ここまで見て気になるところは
「で、美味しいの?」
ってところだと思います。
飲食店をやっていれば、当然気になる部分ですよね。
それ相応の価値はあるの?って。
でも番組ではほとんど「美味しいのかどうか」という部分には触れていませんでした。
使っている材料と、ギネスに認定されているという事、見た目のインパクトにレポーターのリアクション。
それで十分なんだ、ということがわかりました。
顧客が求めたものが「美味しさ」ではない理由
素材にこだわって、一流のお店で販売されている以上、美味しくないわけがないんです。
ただ、そのバーガーやパフェを求める人は、そのバーガーに$295の価値の「美味しさ」があるかどうかなんてどうだっていいんです。
$1,000のパフェがある、ギネスに認められている、とにかく贅沢な食材が使われている・・・
それを食べたという体験。
その体験に付いてくる付加価値。
これこそが求められている事なんです。
その体験をした人が、口コミとして拡散する。
その口コミをきいた人が、そのお店を知る。
こういう部分まで計算されたマーケティングなんでしょうね。
僕にはハナからギネス認定を狙ったメニューにしか映りませんでした。
美味しいかどうかを語る店主はそもそも土俵に立ってすらいない
飲食店主はこういう時に「ふん、うちの方が絶対うまい」とか言いがちじゃないですか。
でも、多くの人からしたら、そもそもあなたのお店なんて知らないんですよ。
知らなきゃ、美味しいかどうかよりも、魅力的かどうかで「食べてみたい!」って思うんです。
食べてみたいって思わなくとも、「そんな面白い店なら行ってみたい!」かもしれない。
あなたのお店を知ったとしても、
「あの店よりうまい」って言われても「で??」って感じなんですよ。
例えるなら、僕が
「ワンピースより、つげ義春先生の庶民御宿の方が面白い」
って言ったとして、果たして何人の人が「読みたい読みたい!!」ってなるか、ってこと。
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(※僕はワンピース大好きですがw)
多くの人は、「面白いよ」って誰かが言った漫画よりも、世間で騒がれている漫画に興味が行くのは理解できると思います。
要は、「ターゲットにとって魅力的に映るか」という事に尽きると思います。
おわりに
結局はハンバーガー一つ$295ではなく、トリュフやキャビアの値段、純金のピックの値段を含めての$295なので、ふたを開けてみたらそんなに高額じゃないのかもしれません。
でも、お客からしたら、そんなのはどうだっていいってことです。
- 「$295のバーガーを知ってる?」
- 「$295のバーガー食べた事あるよ!」
- 「$1,000のパフェすごかったぜ!」
こういう言葉から興味を持って貰えたらお店としては万々歳なわけです。
ちなみに、
世界最高級のバーガーで調べたら、もっとすごいのがありましたw
僕なんかはそっちも気になっちゃいます。
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