らーめん屋でライスだけの注文はありかなしか
2016/02/05
らーめん屋さんで白飯だけを注文するのはありかなしか
こんなタイトルの記事をみました。
僕は個人的には、モラルとして”なし”なんだけど、
それは飲食店をやっている立場だからだと思います。
本当に個人的な話なら、
人数分オーダーしないとかもありえない。
フードコートやファストフードならまだしも、
個人の小さな飲食店でも平気でやる人がいるのにはビックリする。
4人で来て、オーダーがドリンク1杯のみ、みたいな。
しかも忙しい、回転が命のランチタイムに、とか。
余裕で見かけます。
その辺りはお店さんごとの基準があるだろうから、
僕がどうこう言うことではないけれど。
飲食店をやっている立場からしたら、
「その席一つ埋めるのに、その単価じゃ困る」
って話なんですけどね。
お客さんからしたら、そんなのは知ったこっちゃないわけです。
好意は利用される時代
僕は、みんな早いところ「時代が変わった」という事を受け入れるべきだと思ってます。
正直言って、ドリンク単品で注文できるようにしていることも、
ライス単品の注文にしてもそうだけど、
これって、単なる飲食店側からの「好意」じゃないですか。
普通に食事をしてもらうことは前提としてあって、
そのうえでこういうオプションもありまっせ、みたいな。
昔は、暗黙の了解みたいなのがあったと思うんです。
そもそも外食って特別だったから、ちょっとカッコつけたり。
でも今は、
「店が出来るって言ってんだからいんじゃね?」
って時代なんです。
わかります?
それで断ろうもんなら、「だったら最初から書いとけ」とか言われるんですよ。
こちらからしたら、「書かなきゃわかんねーのか!」「あんただけだぞ!」
って話なんですけどね。
だからぶつかりあって「もう二度と行かない」ってなっちゃう。
飲食店のハードルは低い
僕はこういうのって、外食のハードルを下げた大手の責任だとも思っています。
特にマクドナルドのように、
「100円で何時間でもいていいからね!」
みたいなのを子供のころから植え付けられたら、
そりゃ
「飲食店ってのはそういうもんなんだろう」
ってなりますよ。
※もちろん大手さんの功績によって今の飲食店が成り立っている事も否めません。
でも、そんな事に文句を言っていても始まらないんです。
だって、世の中の大きな流れは、大手さんが頑張って何十年かけてようやく変えられるものであって、
僕らみたいな小さな飲食店主にはそんな力はないからです。
じゃあどうすればいいのか。
”時代が変わったんだ”ということを理解して、
今の時代のお客さんに合わせていかなければならないと思います。
素直に、どう利用してほしいのかを伝えるだけ。
今の時代のお客さんに合わせるというのは、
実はとっても簡単なことなんです。
素直に、どう利用してほしいのかを伝えるだけ。
でも、みんななぜか、回りくどく、難しくしちゃう。
実際のお店で行われていた”悪い例”と”良い例”を紹介しますね。
悪い例
洋食のレストランなのですが、
サンドイッチなどのせいか、軽食のイメージがつき、
ファストフードのような使われ方をしていたお店さん。
おそらく全部のお客さんを逃したくなかったのか、
「○○の場合は+○○円だけど、○○オーダーで、一人○○円引き」
のような、パッと見よくわからない但し書きをメニューに加えていました。
※詳細は忘れましたが、上手に紐解けば、
レストラン利用のお客さんは得をし、ファストフード利用の場合は損する仕組みでした
結果、スタッフすら混乱し、
お客さんはよくわからないから不満。
毎回お客さんに説明しなければならないスタッフもストレス。
さらなる抜け道をかいくぐるお客さんが出てきて、さらに改訂・・・とぐちゃぐちゃに。
もちろん口コミサイトでも取り上げられちゃいますよね。
・・・はい、僕の店ですw(フェイクいれてます)
わかりにくい値引きシステムなら、わかりやすい値引かないシステム
次にいい例
良い例
近所の食券型のらーめん屋さん。
学生や家族連れが替え玉サービスを利用して、
2人で1人前のオーダーのような状態になっていた。
お店さんが取った行動は、大きく食券機や壁に
「必ずお1人様らーめん1杯のご注文はお願いします。」
「オーダーのない方の席のご利用はおやめください。」
と書くことでした。
僕はこれを見た時「わかりやすっ!」って思いました。
学生が2人で来ても、必ず1杯ずつオーダーすること。
そのうえでの替え玉サービスは喜んで受けますよ、って姿勢です。
というか、もともとはそのつもりだったはずですから。
結果、2人で1杯を楽しみに来ていたお客さんは来なくなります。
でも、1人1杯ちゃんとオーダーして、その味やお店についていたお客さんは
当然残ってくれます。
一見お客さんを失ってそうですが、
失ったのは”そのお店にとってお客さんじゃない人”だったわけです。
おわりに
お店の方針によっては
「それでもうちは、どんな利用の人にでも来てほしい!」
っていうのもあると思います。
僕は別に否定はしません。
だけど、僕はそんなお店には絶対行かない。
すごくマナーの悪い客のよこで自分が食事をするのも嫌だし、
料理にポリシーを感じないから。
だったら、
「うちは色々厳しいルールがあるけど、うちの味を気に入ってくれてる人に来てほしい」
って言ってくれるお店さんの方が行きたい。
僕はそのお店の味が食べたいし、そのお店の雰囲気が好きだから、
そのお店のルールに従おうって思う。
話は飛んじゃうけれど、日本が平和なのって
教育や規制がそこそこ厳しく働いているからだと思うんです。
そういうのがなくなって、
誰でも受け入れる国になったり、
どんなものでも輸入できる国になったら、
いまよりもっと平和が脅かされると思う。
それに似ているんじゃないかと思うんです。
だからこそ、お店にとって望ましくないことは、
お客さんにされる前に「NO」と言っておく。
それも、嫌味じゃなく、素直に。
それだけで十分なんじゃないかと思います。
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