異業種からの参入で小さな飲食店をやってるけど何か質問ある?小さな飲食店主の経営幼稚園

これから飲食店を始めたい方や既に小さい飲食店のオーナーをされてる方に役立つかもしれない情報を書いていきます。

美味しいのにリピート率が悪かったらバランスを見直してみる

 - 飲食店経営のヒント ,

      2015/11/03

前回、

もし、あなたのお店の料理で

「こんなに美味しいのに売れないんだよなぁ・・・」

っていうものがあったら、次の二つを確認してみてください。

  1. 新規オーダーが少ない場合はメニューのネーミング
  2. リピートオーダーが少ない場合は料理のバランス

このうち新規オーダーが少ない場合についてのtipsを書きました。

今回は「リピートオーダーが少ない場合」についてです。

リピートオーダーが少ない場合はバランスを見直そう

美味しいのにリピートオーダーが少ない、この場合には

なんとなく満足度が高くない

という状態が考えられます。

満足度は期待値からの差であるという話は以前書きました。

つまり、期待していたより満足だったか不満だったか、というのが顧客満足度なわけです。

その期待は

  • 他と比べて美味しいのか
  • 価格に比べて満足か
  • 全体バランスから見て満足か

などなど、お店を選ぶときや料理を選ぶときから高まっている感情です。

もし、その期待に比べて圧倒的に満足させられることができたら、
そのお客さんは次回もその料理をオーダーしようと思うのではないでしょうか。

それでもオーダー率が悪いと料理人は

「美味しくなかったんじゃないか・・・」

と思い、すぐに料理の確認や研究に走りがちです。

美味しいだけでは選べない

お客さんは「美味しい」という理由だけでは料理を選べません。

「他店と比べて圧倒的に美味しいから、連れてきた友達に食べさせてあげたい」
「前回食べたらすごく美味しかった。是非また食べたい」

こういう感情で選んでいます。

もし、

「美味しいか美味しくないかで言ったら美味しい」

ぐらいの料理だったら、全く以って記憶に残っていません。

だから、
”決して満足度が低いわけではないけれど、高くもない状態”
になってしまっているわけです。

「美味しい」も他と比べた基準で決まる

料理人が勘違いしてしまいがちなのは、

「今まで一度も食べた事がない味だけど、なんだか圧倒的に美味しい!!!」

と、お客さんに思わせようとするところです。

人は、今まで食べた料理と比べて、あなたのお店の料理がどうかを判断します。

それが今まで食べた事がある料理なら「あの店のパスタより美味しい」とかを考えますし、
初めて食べる料理なら、似たような味わい・似たような食感・似たような利用シーンの物を比較対象に考えます。

その上で圧倒的に勝っているものこそが、お客さんの心に残り、「もう一度食べたい」となるわけです。

つまり、あなたのお店の料理は、美味しくなかったのではなく、記憶に残らなかったんだと思ってください。
大丈夫です。あなたが「美味しい」と思っている料理は、多くの人が「美味しい」と感じますから。

口コミで「美味しくない」なんてかかれても気にすることはないんです。
その人以外の多くの人は「美味しい」と感じています。

問題は「どこのお店と比べて美味しかったのか」「どの料理と比べて美味しかったのか」がわからないことです。

価格に比べて満足か

飲食店をやっていると、価格を決める時に

「原価3割にしたいから、原価÷0.3の端数切捨て」

とかで決めがちです。

そうすると、いい食材を使った自慢の料理ほど原価が上がりますから、
料理のバランス(質と量)と価格のバランスがうまくとれなくなります。

要は

「これ、美味しいけど高いんだよなぁ」

という状態。

外食をする時って、なんとなく「ランチだから700円まで」とか「職場の人と飲むから4,000円まで」とか価格を区切っている場合があります。

その中で、

今まさに注文しようとしている料理がどれだけの割合を占めるのか

というのを瞬時に判断しています。

だから、「今日の飲み会は4,000円まで」の中に、「2,000円の単品料理」を入れていくのは勇気がいりますし、
その料理が一口で終わってしまうような物だったらオーダーできないわけです。

新規だったら、内容がわからないですから、
2,000円の料理と聞いた時にそこそこのボリュームを想像するかもしれません。

でも、一度それをオーダーしたことがある人なら、
「あれはたしかに美味しいけれど、値段の割に少ないんだよな」
と思ったらリピートしない可能性があります。

2,000円なんて、原価3割なら600円。
今日び、600円で買える食材なんてたかだか知れてますよね。

お客さんが料理に使える金額が2,000円なら、
その2,000円の中でのバランスをうまく組み立ててやる必要があるわけです。

全体バランスから見て満足か

それはつまり、単体の料理として価格とのバランスがあっているかだけではなく、
店のメニュー全体でみてもバランスが取れているかどうかも重要だということです。

多くの料理の価格帯が500円前後のところに、急に3,000円の料理が入ってきていたら・・・

だいたいの人はオーダーするのに躊躇すると思います。

だったら、少し量を減らしてでも、少し質を落としてでも500円+αぐらいの値段で抑えた方がオーダーしやすいですよね。

つまりは結局のところ

お客さんの利用シーンを想像できているか

という事に繋がってきます。

お客さんが、あなたのお店をどんな気持ちで選んでいて、
その上でどんな気持ちで料理を選ぶのかを考えたら、
その料理に対する期待値を遥かに上回る満足を感じてもらう事はそんなに難しいことではないはずです。

まとめ

飲食店をやっていると、どうしてもこちら側の目線で物事を考えがちです。

前回の記事にも書いたとおり、カッコつけたネーミングもそう。

お客さんが利用する姿を考えたらわかりそうなことが、
実際に店舗を運営すると見えなくなっちゃうもんなんですね。

なので、美味しくて自信のある料理がリピートされなかった場合には、

  1. もう一度お客さんがその料理をどういうシーンで選んでいるかを想像して、
  2. そのシーンにあったバランスかどうか

を考えるといいと思います。

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