異業種からの参入で小さな飲食店をやってるけど何か質問ある?小さな飲食店主の経営幼稚園

これから飲食店を始めたい方や既に小さい飲食店のオーナーをされてる方に役立つかもしれない情報を書いていきます。

異業種から飲食業界に参入するメリット・デメリット

 - 異業種から参入する人へ

   

僕自身、異業種からの参入組なので、
飲食業界に参入して感じたメリットとデメリットがあります。

メリット・・・つまり良かったなと感じたことは

  • 視野が広がる
  • 飲食店の裏が見える
  • 料理などの知識が圧倒的に増える
  • 商売の感覚が身に付く

逆にデメリットは

  • 他の飲食店を楽しめなくなる
  • (前職にもよるが)体力的にきつい
  • (前職にもよるが)精神面的にもきつい
  • 舌が肥える

他にも異業種からの参入だからこそわかることもありました。
まとめます。

異業種から飲食業界に参入して得られたメリット

視野が広がる

日本人は特に、一つの業界・一つの会社で一生を終える人が多いと思います。

そうなると、どうしても自分の知っている世界だけで話をしてしまいがちです。

これは飲食業界じゃなくても、今の自分がいる業界ではないところへ転職すればしただけ、その視野が広がる事に感動すると思いますよ。

ただやっぱり飲食店は一生のうちに一度はやっておいた方がいいんじゃないかと思いますね。

それは次以降の項目から説明できます。

飲食店の裏が見える

飲食店は現代人にとってとても身近に存在しています。

僕も物心ついた時にはマクドナルドに行っていた覚えがあるぐらいだから、
特別なものではなくて、もう生活に密着している存在ですよね。

だからこそ、飲食店って表面的な部分ばかり見えてしまうと思うんです。

その表面部分に触れる機会がすごく多いわけですから。

そんな飲食店の裏側がわかるようになるわけです。
これは単純に「みんなが知り得ない裏の情報を知れたぜ・・・」みたいな話ではないです。

それは、こういうことです。

商売の感覚が身に付く

世の中のビジネスごとは大半が「商売」です。

誰かの役に立てる商品を販売することで、
その対価としての利益を得る

ということ。

飲食店は普段の生活の中でも
かなり身近な位置にある商売の見本とも言えます。

ここで身に付いた商売感覚は、他のどんな業界へ行っても通用すると思います。
※公共の仕事では意味がないかもしれませんが。

料理などの知識が圧倒的に増える

これはオマケみたいなもんですが、
どうしても、飲食という仕事を真面目にやっていれば、
料理そのものや、その背景などの知識が増えます。

たとえば僕だったら、ビールといえば「生ビール」「発泡酒」ぐらいしか知らなかったのが、
今ではビアスタイルやホップの名前を聞くだけで「あぁ、こんなビールね」って予想がついちゃいます。
※これは店でクラフトビールを提供しているから

僕の店に食事しに来てくれるお客さんよりは、僕の方が僕が提供している料理に詳しくなければならない。
そう思ったら必然的に知識が増えていくわけです。

たまにマニアみたいなお客さんが来て、バーッとウンチクを垂れ流して満足げに帰っていきますが、
それ以外のお客さんは普通の人ですからね。

異業種から飲食業界に参入して感じたデメリット

他の飲食店を楽しめなくなる

飲食店の裏側が見えてしまうからか、今まで通りの「お客さん」として他の飲食店に通えなくなります。

例えば、そこの店主が嫌がるような事は絶対にしなくなりますしね。

簡単な例で言えば、オーダーも止まっているのに閉店ギリギリまで居座る、とか(笑)

学生時代はよくやりましたが、大人になったらやらないですよね。
でも、実際にはそういう大人の人もたくさんいます。

悪いことじゃないんですよ。だって営業時間中だし。
でも、自分が嫌だなーと思ったら、他の人のお店では絶対にやらなくなります。

あとは、それ以外にも、裏側が見えすぎちゃって楽しめないとかもありますね。

極端な話だと「あーこれ、どこどこで売ってる冷凍食品揚げただけだな」とかがわかっちゃう。

これも全然悪い事じゃないんですけど、
なんとなく「だったらウチで作れるなぁ」とか思っちゃうんです。

そういうのが色々あって、他の飲食店を100%楽しめない。(笑)

(前職にもよるが)体力的にきつい

前職が完全なガテン系なら話は別ですが、
デスクワークはもちろん、外回り営業さんだったとしても飲食店の方が体力的にきついと思います。

僕はデスクワークからの転職だったので、最初の数か月は辛くて仕方なかったです。

慣れますけどね。

基本的に、一日中同じ場所に立っているわけですから。
仕込みする時も、調理する時も、お客さんが来ないときも。

あとは掃除したり、準備や片づけしたりも基本は立ってますからね。

で、僕の店なんかは夜遅くまでやるわけだから、
必然的に寝る時間も遅くなる。

寝る時間が遅いと、体力って回復しないんですよね。
人間って22時までには寝ないといけないのに、22時はまだバリバリ営業してますからね。

(前職にもよるが)精神面的にもきつい

これも本当に前職によると思いますが、僕はすごくきつかった。

営業ノルマがあるとか、開発納期があるとか、そういう方がいくらも楽でした。

飲食店が、というよりは「独立開業」の方かもしれません。

全部の責任が自分に乗ってくるという事が、こんなにもきついとは思いませんでした。
その分面白いんですけどね。

お客さんが来なければ売上が上がらないし、食材が余る。
さらにはボーっと立っている時間も増える。
心に余裕がなくなる(笑)

それが全部自分のせいなんですよ。

しかも「やったから成功する」というわけではないんです。

やってもやっても「失敗」という結果が出るだけという日々が続くことも。

とは言っても、エジソンだって失敗を繰り返したのちの成功ですから、
失敗は成功するために絶対に必要なんです。

それを理解するまではきつくて仕方なかった。

あと、お客さんとの距離が近いのも精神的にきついなと思いましたね。
自分の失敗がダイレクトにお客さんに届いてしまう。

またはお客さんからのお叱りがダイレクトに自分に届く。

なかなかの精神力が必要です。

舌が肥える

飲食素人時代は舌が肥える事が嬉しくてたまりませんでした。

どんどん美味しい料理を知りたいと思ったし、
「味の違いがわかる僕、カッコいいじゃん!?」
みたいな感じで。

飲食店を経営すれば、嫌でも舌が肥えていきます。
プロなんだから、当たり前といえば当たり前ですけど。

自分の店に来てくれるお客さんよりは、少なくとも舌が肥えてないといけないですし。

「いやー、僕には味の違いがわからないんですけどね」

なんていう店主の店になんて行きたくありませんから。

でも、舌が肥えるという事は、

他所のお店の味がわかるようになる

ということなんです。

いいですか。
今までは、外食する時に適当にふらっと入ったお店が「可もなく不可もなく」ぐらいだったとするじゃないですか。

そのお店が一気に「不可」になります。

「この値段でこんな料理だしてんのか!」

って思います(笑)

だからめっきり外食の機会が減りました。
行ってもマックとかサイゼとか、フードコートぐらい。

要するに期待しないで行けるところを選ぶようになっちゃうというか。

こんなことなら飲食店なんてやらなきゃ良かったって思います。
大好きな外食があまり楽しめなくなってしまうぐらいなら。

でも、その分、本当に美味しいお店さんを見つけた時はとても嬉しいですよ。
常連になっちゃうぐらい嬉しいです。

嬉しい反面、悔しいですけどね。

「どうやってこの料理をこんな価格で、こんなサービスでやれるんだろう!?」

って思います。

ま、いずれにしろ楽しいって事ですね(笑)

異業種からの参入だからこそわかること

最後に、異業種から飲食業界に参入したからこそわかること。

それは、

飲食店主には料理のことしか考えてない人が多い

ということです。

もちろん、サービスとかも気にしています。
だけど、基本的に頭の中は

「どうしたら美味しい料理が作れるか」

にしか興味がないんじゃないかってぐらい、
僕の周りにはそんな飲食店主が多い。

価格についても「他の店がこれぐらいの値段だから」とか、「原価がこれぐらいだから」とかで決めてる。

サービスだって「他所がこんな感じでやってるから」とか、「飲食店はこういうものだから」っていう理由で決めてる。

僕はとくに「考える」仕事からの転職だったので、
圧倒的に考える量が違ったんだと思います。

お客さんの事をちゃんと考えられるかどうか。
そのうえで形にしていけるかどうか。

その辺は、異業種から入ってきた人の方が柔軟に出来そうな気がしています。

きちんと考えることが出来たら、例え飲食店での修行経験がなくとも
スタートアップが全然違うと思います。

 

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