異業種からの参入で小さな飲食店をやってるけど何か質問ある?小さな飲食店主の経営幼稚園

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オープンキッチンの厨房で気を付けること|料理人はステージに立つ役者

 - 飲食店オープン準備, 飲食店関連コラム

      2015/11/03

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料理人の仕事は、美味しくてワクワクするような料理を安全に提供することです。

つまり職人の仕事。
これに間違いはありません。

ただし、オープンキッチンの場合は話が別です。

オープンキッチンは開放感もあるし、オシャレだし、最近増えていますね。
オープンキッチンに立つ料理人は、もはや職人ではダメなんです。

職人を演じる役者にならなければいけません。

オープンキッチンは意外と見られている

あなたのお店に来るお客さんは、あなたのお店の料理だけに期待しているわけじゃないんです。

美味しいご飯が食べられればそれでいいなら、特にあなたのお店を選ぶ必要なんてありませんから。

そこには何かしらの期待があるんです。
例えば、「今日は疲れたから癒してもらいたいな」とか「良い事があったから嬉しい気持ちで食事したいな」とか。

そうなると、お店の外観、入店した時の「いらっしゃいませ」の声、席に通された時のテーブルの上、
全部がその人を楽しませるための演出アイテムになるわけです。

それは料理人にも同じ事が言えます。

どんな人が、どんな感じで料理してくれるのか。
小さな飲食店に来るお客さんは、そういうところまで気になっています。

不潔そうな人が、退屈そうに作った料理に期待できますでしょうか。
僕だったら出来ません。

※余談ですが、以前屋台のたこ焼きを買いに行ったときに、店の裏手で立ちションをしていた金髪の店主が手も洗わずに焼き始めた時には一気に買う気が失せましたw

オープンキッチンに立つ料理人はステージに立つ役者

つまり、オープンキッチンにたつ料理人は、ステージに立つ役者のような存在なんです。

観客に夢を与えなくてはいけません。

きちんと手を洗うとか、寡黙に料理をするなんてのは当然のことです。
これは役者が台詞を間違えないと言っているようなもの。あたりまえのことです。

じゃあどうするか?

簡単な事です。
お客さんを楽しませること。
ワクワクさせること。

それをステージであるキッチンで行えばいいんです。

一つ例を上げるなら、フランベする時に派手に炎をあげるとかですねw
ああいうの一つでお客さんは嬉しくなるわけです。

僕は肉を焼く音がわざと響くように工夫したりしています。

それが面倒だと言うなら、それでもいいのかもしれません。
でも、それが面倒であるという事は、店がお客さんの為ではなくあなたの為に存在しているという事の裏返しかもしれません。

[関連]お客が来なくなったら、お客と店の気持ちがズレだしているという事かも

ただし料理人はステージの主役ではない

ショーのステージにはたくさんの演者がいて、一人一人がきちんと役をこなしています。

たった一度そのショーを観たぐらいでは、全てを見る事はできないぐらい多くの人が演じています。
そして、そのステージを支える裏方のスタッフたちがいます。

僕はシルクドゥソレイユのショーを観た時に、この事実に感動しました。
(まだ観た事がない方は是非、次回の日本公演があった時にでも観にいってみてください!)

料理人は、その演者のうちの一人です。
誰かに見られているかもしれないし、誰もみていないかもしれない。

だけれど、あなたのお店というステージを作る役者の一人である事に違いないんです。

だから、お客さんが来ないとふてくされているような料理人も、
お客さんが気に入らないと怒っている料理人も、
ホール担当の動きが悪いと怒鳴る料理人も、
不潔な料理人もぜーんぶNGなんです。

願わくば、常にキラキラとした目で、楽しそうに料理をする料理人でいて欲しいじゃないですか。

料理人だって人間なんだから、そりゃ面白くないことも面倒な事もあると思います。
でも、あなたのお店というステージに立つ役者として仕事をしているのだから、
素敵な料理人を演じなければならない事を忘れてはいけません。

おわりに

料理人って、すごい料理を作れる繊細で寡黙な人が多い印象です。

僕はそういう不器用だけど真面目な料理人って格好良くて大好きなんですが、
やっぱりホール担当者に比べて「演じる」という事をサボっている印象を受けます。

ホール担当者なんて重要なポジションを任されているわけですから、毎日ストレスが溜まりますよ。
にも関わらず彼らはきちんとホール担当者を演じているんです。

場合によっては、店の外に出ても演じてくれています。
街中で常連さんを見かけた時に、笑顔で声をかけています。
[関連]店の外でお客さんにあってもスルーしていいか

僕は経営者兼料理人として常連さんと話す機会が多いのですが、
必ずステージ上の料理人を演じる事を忘れません。

料理についての質問をされて、例え知らない事があっても「わかりません」なんて言いません。
お客さんに夢を与えないといけないから。
(もちろん次回までには必ず調べて答えられるようにしています)

経営者やホール担当者がきちんとステージ上で役者を演じているんだから、料理人もやらないとね。

追記

たまに芸能人で「オフの時は別人みたいに冷たかった」とか言われている人っていますよね。

僕はあれ、プロとして失格だと思うんです。
だって僕らは彼らから夢を与えてもらってるわけじゃないですか。

芸人さんのように人を笑わせる仕事ってすごく素敵だと思うんです。
その芸人さんのおかげでとても幸せな気持ちになれるから。

だから街中で見かけた時にも、素敵な人でいて欲しいと願ってしまいますよね。
プロなんだったら、そこでも期待に応えないと。

料理人もそういう意識で臨めたら素敵ですね。

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