お客さんが集まる広告の作り方・出し方
2015/11/03
お客さんを集めたくて広告を打つけど、いまいち反応が悪いなーって思うことがあると思います。
僕も自店の広告には投資してきましたが、しばらくは本当に
「これ、お金の無駄遣いじゃないかな・・」
って思うような状態でした。
1人獲得するのに20,000円ぐらいかけてました。
飲食店で、ですよ?
当時の顧客単価が2,500円ぐらいだったので年8回リピートしてくれたら「2,500×8=20,000円」なので、翌年から利益になると思えば万々歳なんですけど、20,000円かけてゲットしたたった1人のお客さんが、100%の確率で8回リピートしてくれるなんて事はありえないので、これは見合ってないなーと。
てか年8回って相当ですよ・・。
ある日、親身になってくれている方からアドバイスを受けて少し広告内容を変えてから、色々と思うところが出てきたので自分なりにまとめてみました。
- なぜ広告を出してもお客さんが来ないのか
- お客さんが来る広告の作り方
- その広告をいつ出すの?
これらを順を追って説明します。
Contents
なぜ広告を出してもお客さんが来ないのか
なぜ広告を出しても出してもお客さんが思うように集まらないのか。
僕がやっていた失敗を基に考えると、こんな感じだと思います。
- 誰に何を訴えているのか明確じゃない
- あっていきなり「僕と赤ちゃんつくらない?」と言っている
- いく理由がない
具体的にはこんな感じです。
誰に何を訴えているのか明確じゃない
広告のメッセージは基本的に「あなたがこんな得を出来ます」と言う内容である必要があります。
それを読んだ人が「あ、これは私が得出来るんだ」と思わせる事が大切だからです。
なぜなら、誰だって自分が得したいと思って生きているし、自分にとって得にならない事にはお金を払いたくないですから。
もちろん自分の得というのが必ずしも自分自身が得する事じゃなくてもよくて、「あなたの奥さんが笑顔になります」とかでもいいんです。
奥さんが笑顔になってくれたら自分も嬉しいですからね。結果、自分の得になる。
てことは、その得する人が誰なのか?何を感じたら得出来るのか?という「ターゲッティング」がきちんとされているかどうかがポイントなんですね。
僕の失敗例
僕の店は先にも書いた通り、顧客単価2,500円ぐらいの店なので、普段使いとまではいかなくとも、そこまで高級でもない店です。
だからお客さんには仕事帰りにふらっと寄れる、気軽な店という印象を持って欲しいと思っていました。
それなのに、僕が広告を作るときに意識したのが「高級感」。
なんか格好つけたくなっちゃったんです。
とびっきりラグジュアリーな広告をママさんたちが見る地域情報誌に載せました。
端から見たらとってもチグハグな事をやっているんですが、なかなか当の本人は気づかないもんですね。(笑)
ターゲットと広告内容、媒体のマッチングがとれていないと集客はできません。
[関連]広告を載せる媒体を選ぶ基準(地域情報誌の場合)
この件で言えば
- ターゲット(需要)=仕事帰りにふらっと寄りたいと思っている人
- 広告内容=高級
- 媒体=地元のママさんたちが見る、基本クーポンだらけの地域情報誌
さらには広告内容と実際の店舗で提供される料理や空間も違うわけですから、運良く来店されたお客さんの満足度も高くないわけです。
[関連]顧客満足度は顧客の期待値からの相対で決まる
結局この広告・・・つまり「仕事帰りに寄るような気軽な店」を「高級感」満載で、「ママさんたちが見る地域情報誌」に半年ぐらい載せ続けました。
反響は想像通りです。(笑)
あっていきなり「僕と赤ちゃんつくらない?」と言っている
なんちゅータイトルだとツッコミを入れられそうですが(笑)、実はこれドラえもん (8) (てんとう虫コミックス)でのび太君がしずちゃんにいきなり言った台詞なんです。
こんな感じ。
「ふたりで、いっしょに作らない?」
「なにを?」
「赤ちゃん!!」
のび太君はしずちゃんにありえないぐらいメッタメタにされてしまうわけなんですが(笑)、のび太君としずちゃんって将来結婚する仲だし、そうでなくとも相当に仲がいい印象ですよね。
それでもいきなり「赤ちゃんつくらない?」なんて言ったら怒られるわけです。
うん、そりゃあたりまえだ。
さて、僕が出した広告ですが、こんな感じでした。
「はじめまして!当店に来たら○○と○○は絶対食べて、それに合わせて○○や○○を飲んだら絶対楽しいですよ!今月来てくれたら○○サービス!」
人は人と接する時にまずは自己紹介をして、相手を徐々に知って、探って、みたいな順番がありますよね。
飲食店とお客さんも人対人です。
いきなり「ウチに食べに来るよね?ね!?」みたいなのって、どうなんでしょう・・・ということです。
いく理由がない
「認知もしたし、興味もでた。そしたらあとはお店に行くだけだ。」
僕は広告をそんな風に考えていました。
お客さんが来ないのは「お店自体を知らないから」または「お店自体を知っていてもよくわからないし興味がないから」なのかなと。
ある日、僕の店の近くで大き目な地域のイベントがあり、郊外からも人が集まる事がありました。
そのイベントに対して僕の店は何の広告も打っていないにも関わらず、その日はバンバン予約が入って、嬉しい悲鳴を上げたのと同時に、ある気づきを得る事ができたんです。
それは
「お客さんは知ってても興味があっても、いく理由がなかったら来ない」
という事でした。
自分に置き換えたらわかるんですけどね。
先日テレビでやっていたお店さんが、うちから2時間のところにあって「美味しそう」で「安かった」んですけど、やっぱり「行くかー」となりませんでした。
お客さんが集まる広告の作り方
以上の事を踏まえると、お客さんが集まる広告の出し方がわかった気がしますよね。
- 訴える事を短く明確に正しく
- 手順を飛ばさず数回にわけて
- いく理由を意識する
こんな感じです。
訴えることを短く明確に正しく
こだわって、格好良く広告を作りたくなってしまうのが人間の性なのでしょうが(僕だけでしょうか)、それを捨てます。
お客さんが手に取って見た時に、パッと見て「誰に伝えたい、どんな得なのか」が明確である広告を作るということです。
ダラダラと“お客さんが要らないと思う情報”をたくさん書いても見づらくなるだけです。
そしてちゃんとした内容で、ちゃんとしたメディアを使うことだと思います。
これはミリオネアメイカー「ダン・ケネディ」もマーケティングの基本は3Mだと言っています。
マーケットとは、需要・・・つまりターゲット顧客のこと。
メッセージは広告内容で、メディアは媒体ですね。
つまり、正しいターゲットに、正しい内容を、適した媒体を使って伝えようと言う事です。
今回の例で言えば、帰宅途中のサラリーマンが見ているSNS上に、気軽に使える店という内容の広告を載せる、みたいな感じでしょうか。
手順を飛ばさず数回にわけて
人間は(僕も例に漏れず)、どちらかと言えば「楽をしたい」と考えていますから、できれば近道をしたい。
だから、僕は妻に説明をする時も色んな部分を端折っちゃって急に結論から話したりして、よく怒られます。
AIDMAという言葉をご存知でしょうか。
AIDMAとは、Attention(注意)、Interest(興味)、Desire(欲求)、Memory(記憶)、Action(行動)の頭文字をとった用語です。
広告はこれを意識するといいです。
まずは「Attentionの広告」。
つまり「はじめまして!○○の店、○○です」だけの広告。
あとは電話番号とか営業時間ぐらい。余計な情報はなしで。
次が「Interestの広告」。
こだわりだったり、お客さんが興味を持ちそうな内容の広告。
ここでDesire、Memoryになってもいいと思います。
最後に「Actionの広告」。
クーポンだったり期間限定メニューだったりで「今いかなきゃ!」って思わせる広告。
あっていきなり「赤ちゃんつくらない!?」なんて言わない為にも、最低この3回が必要です。
いく理由を意識して(つくって)あげて
お客さんが来ない最大の理由である「いく理由がない」。
これが本当に難しいんですが、基本的には誰でも「その店にいく理由」がなかったら行かないんです。
どんなに美味しくて、どんなに手が込んでて、どれだけ安くても、電車で2時間かかるところにランチを食べにふらっと行く、みたいなことは日常的に起こる事ではないんです。
だったら、「○○な時にはウチにきてね」みたいな理由を作って、「○○な時」に思い出してもらうしかないんじゃないかと。
美味しくても安くても、お客さんは来ないですが、
行く理由があれば、不味くても高くても来ます。
「そんな事はありえない!」
と、思うかもしれません。でも現実です。
ディズニーランドのレストランなんかはお世辞にも「美味しい!安い!」とは言えませんが、大繁盛していますからね。
ディズニーランドのレストランのお客さんは、そこに行く理由があったというわけなんです。
その広告をいつ出すの?
魅力的な広告が出来上がったら、いつだすの?って話です。
お世話になっている不動産屋さんの例
お世話になっている不動産屋さんがかなりの広告費をかけて宣伝しているという話を聞いて、
「チラシを見て『よし、引っ越そう』なんて思う人いるんですか?」
と尋ねたことがあります。
その時に不動産屋さんはこう答えました。
「広告を見たから引っ越そうとか、不動産屋に行こうとか思うんじゃなくて、『引っ越したいなー』って思ってるところに広告が入ってきたら気になってみるじゃないですか」
だから広告を打ち続けるんだそうです。
なるほどと納得しました。
誰がいつ引っ越したいかなんてわからないから、誰がいつ引っ越してもいいように常に宣伝を売っておく、という事なんですね。
同じような事例をもう一つ
妻と白髪染めの例
最近妻が「白髪が目立ってきた。。。ビゲン香りのヘアカラーでも買うか・・・」と言っていました。
僕の妻はまだまだ若いんですよ。
でも、少しずつ白髪が出て来ちゃったんです。・・・苦労かけてます。ありがとう。
すみません、脱線しました。
妻はそれまで当然ながら白髪染めを使ったことがありませんでした。
だからその商品に対して特別な感情もなかったそうです。
でも、白髪が出てきたと思った時に、例のソングが浮かんだわけです。
つまり、「ビゲン香りのヘアカラー♪」ってCMが来る日も来る日も流れ続けていたおかげで、頭に擦りこまれていて、たまたま「染めたいなー」って思ったときに思い出したというわけなんです。
これは「お腹が空いたら♪」で浮かぶあの商品と一緒です。
もう一つ、今度は僕の店の実際の例。
広告を見てきたお客さんの例
「この店の広告がさ、何回も入ってくるわけよ。そしたら気になっちゃって!」
先日実際に会社の人を連れて飲みに来た中小企業の社長さんが部下と話されていた言葉です。
これは心理学における「単純接触効果」と呼ばれるもので、同じ情報でも1回だけじゃインパクトが薄いけれど、2度3度見る事でだんだんと気になってくる、というものです。
例えば音楽なども繰り返しテレビ、ラジオ、街中で流れていると「あれ、これいい曲!」って思うようになるみたいなものです。
アナ雪なんかは僕はそうでした。
しかもそれが別メディア(例えばチラシ⇒地域情報誌⇒駅の看板 などでも)だとさらに印象に残りますね。
僕はネットで見て頭の片隅に残っていた情報が、違うサイトでもとりあげられていたりしただけで、「あっ、これは今流行ってるんだ」と思って、その情報が気になって仕方なくなります。
単なる「ミーハー」という噂もありますが(笑)、これも心理学の「バンドワゴン効果」と「単純接触効果」を組み合わせたものなのかもしれません。
[関連]お客さんを集めたいなら心理学は切り離せない
いずれにせよ、何度となくチラシを投函した事によって、その社長の心を動かした効果的な事例だったと言えますね。
まとめ
以上から広告は
- ターゲットに適した媒体で、適した内容の物を、AIDMAを意識して3回程度に分けて作成
- 欲しくなった時にいつでも反応できるように顧客の頭に自分の存在を植えつける
こんな感じで出すといいです。
間違っても
「これを配ったから明日からわんさかお客さんが来るぞ」
みたいな考えにはならないことです。
焦ってもお客さんは来ないですからね。
童話の「北風と太陽」がいい例です。
長い目で見て、お客さんが自分から「行く理由が出来た日」に、思い出して貰えるツールと考えましょう。
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