メニューを下げた時、マクドナルドはお客さんを見ていたのか
2016/02/06
マクドナルドが原田社長だった頃、全店からメニューの表示を無くすという施策がなされたことがありました。
無くすといっても、おねえさんの頭上にある遠くからでも見えるメニューや、
店の外で見られるメニューなどが無くなっただけで、
レジ前にはちゃんと用意されていました。
当時僕は
「ははーん、セットを頼んでくれってことだな」とか
「単品オーダーが入ると原価的においしくないとか言ってなかったっけか」とか
「心理的にレジ前で急かして、単品オーダーを無くそうとしているな」
なんて考えていました。
実際どういう意味があってメニューを撤廃したのかはわかりません。
でももし、僕が推測したような理由だとしたら、軽率だったなと思います。
何のこっちゃわからない
当時、僕の友人は
「あれ、何の意味があるんだろうね・・・??」
と、全く見当がつかないといった様子でした。
「ただ不便になっただけじゃん」とも言っていました。
僕が、上記のような理由じゃないかと推測を述べると
「なるほど!!そういうことかもしれないね!!」
と、そこで妙に納得していました。
そう、彼女はその瞬間まで、本当に何の意味があっての施策なのか見当がついていなかったんです。
つまり、何かしらの意味があってやったことが、一般のお客さんにしてみたら何の意味もなかった。
逆に、当時「セット頼めってことだろ」って気付いた人たちは、「姑息な手段を使いやがって」と反発していました。
気づかない人はそのまんまで、気づいた人から離れていく、プラス要素が一つもない結果になってしまったのでは?と思います。
やっぱり顧客をみていない
当時のマクドナルドの戦略の本意はわかりませんが、やっていたことは「小手先のテクニック」に過ぎなかったと言う事ではないでしょうか。
自分のお店に来てくれるお客さんが誰なのか、そしてその人が何を求めているのかを本気で考えれば、「こうやればこうなるだろう」みたいな手段を選ばないはずです。
そもそも単品ばかりオーダーされたら赤字なのも、セットをオーダーして欲しいのも企業側の都合ですよね。
お客さんにとって価値のあるサービスではなかった、という事です。
もし、セットオーダーを伸ばしたいのなら、セットでオーダーするとどういう得があるのかをターゲットに示す必要があったのだと思います。
※とはいえ、小さい飲食店と大手飲食店のマーケティングが全く同じとは思えないので、想像の域を出ませんが・・・。
おわりに
このブログでも何度か書いていますが、
テクニックはお客さんのことを考えた上に乗ってくるものです。
テクニックだけでどうこう出来る素晴らしい方法はありません。
そもそもテクニックに頼っている時点で、お客さんの事が頭に入ってないんです。
テクニックに頼ろうと考えている時の思考は、
「どうやったら儲かるだろうか?」
という感じですよね。
お金は、お客さんの役に立ったらその代わりに貰えるものです。
小手先でどうにかして貰えるわけではありません。
経営者になると、そこのところをどうしても忘れがちになってしまうので、時折思い出して注意するようにしましょう。
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