飲食店として勝負したい店主は、「○○マニア」を集客に使わない
2015/11/03
飲食店の集客手段として、食事内容やサービス以外の部分にフォーカスをあてる場合があります。
そして、そこに投資してしまうパターン。
それはちょっと危険だと思います。
(というか、僕が以前にやってしまっていたことです。笑)
どういう事なのか、「飲食店にお客さんが求めているものを理解していない」という点と、「お金になりにくい」という点から説明します。
食事内容やサービス以外の部分にフォーカスを当てるお店
例えば(実際にあったら申し訳ないのですが)、マスターがギター好きで、オールドギターやヴィンテージギターが何本も飾ってあって、試奏することも出来る飲食店。
このお店に集まるお客さんってどんな人でしょう。
きっと、ギターが好きで、オールドギターやヴィンテージギターを触ってみたい、マスターと話がしたい、そんな方が多いと思います。
というか、そういう人以外はその店に価値を感じる部分がないのではないでしょうか。
あなたのお店にお客さんが求めているもの
あなたが「飲食店」として勝負したいのであれば、あなたのお店を利用したいと思うお客さんが求める物は、紛れもなく料理・サービス(接客や空間)です。
そこに「行く理由」がマッチして来店します。
だから食事や飲み物を、居心地のいい空間で楽しむわけです。
それがもし、前述のギターなどを集客に使ってしまった場合はどうでしょうか。
ギターやマスターとの会話を楽しむ為の付加価値としての料理や空間になってしまうわけです。
(※それが悪いと言っているわけではありません。念のため)
そうなると、努力して開発したメニューや、時間をかけて下ごしらえした料理が二の次になってしまうわけなんです。
そこであなたはこう思います。
「料理を楽しんで欲しいんだけどな・・・。」
こうやってマッチングミスが起きていくと、自ずとヤル気・モチベーションが低下していき、お店自体の魅力が下がる事に繋がり兼ねません。
料理からお金になりにくい
先ほども書いたとおり、ギターで集客できたお客さんたちは、ギターが最大の興味であって食事は二の次の可能性があります。
その場合に、食事にお金を落としづらくなります。
「うちは飲食店だから」
なんていうのは、お店側の勝手な言い分であって、お客さんはもっと勝手に楽しみたいはずです。
例えば、500円のランチを楽しみに来たお客さんに10,000円のワインを勧めてもオーダーが入らないのは想像が簡単だと思います。
お客さんは本当に勝手なんですよ。(笑)
だから、いくら料理が美味しくとも、ギターに惹かれて来店したお客さんは、その料理にはほとんど興味がないという事を忘れてはいけません。
その為、料理からの収益が出にくくなる、というわけです。
おわりに
僕らは料理・飲み物・空間という「ツール」を使ってお客さんを笑顔にして、そのお礼にお金を貰っています。
その事実は変わりません。
そして、そのお金を貰う事で生活を成り立たせているんです。
その事実も変わりませんね。
だとしたら、何を最大限に評価されて、その代わりにお金を頂くのかを考えなければなりません。
前述のギターだとしたら、「ギターが飾ってある」「試奏できる」を評価してもらうのであれば、そこから収益があがるような仕組みを作らなければ、いずれ経営が苦しくなるでしょう。
もちろん資金が潤沢にあるような中堅飲食店さんが「テーマレストラン」のように料理以外の集客ポイントを作っている例は山ほどあります。
でも僕らのような小さな個人の飲食店は真似するべきではありません。
なぜなら、彼らほどの広報力もなければ存続するだけの力もないので、すぐに「あそこは美味しくない」のような噂が広まって、逆に集客に支障をきたす可能性があるからです。
(テーマレストランや遊園地のレストランは「楽しい」が最大の評価点であって、「美味しい」で集客はしていないのを考えてみてください)
例え、自分のこだわりの趣味があって、集客に使えそうだとしても、
「飲食店」として勝負したいのであれば、集客は「飲食店」として行うことでマッチングミスを避ける事ができるので、顧客満足度の向上にもつながりやすいと言えます。
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